
からだの中で一番大きい臓器、肝臓。
肝臓という名前は知っていても、どんな働きをしているかはイメージしづらい方も多いのではないでしょうか?
この記事では、肝臓の特徴とその働きについて解説します。
肝臓では数100種類の生体反応が行われており、健康にとって非常に重要な役割を担っています。
肝臓の健康が損なわれるとその他の器官にも多大な影響を及ぼすため、健康診断でも肝機能は重要な項目です。
この記事で、肝臓の役割を知り健康への理解を深めましょう。
肝臓の特徴
肝臓は右の肋骨に守られるようにして位置している体の中で一番大きい内臓です。
重さは体重の約50分の1。

細かい働きは数100種類に及びますが、大きく5つの役割があります。
➀栄養の合成(代謝)
炭水化物、タンパク質、脂質等の栄養素を体のなかで使いやすいように変換したり合成しています。
例えばタンパク質は肝臓でアミノ酸の形に変換され、また肝臓で使いやすいようにタンパク質に合成されています。
②エネルギーの貯蔵
必要になった時に使えるように、エネルギー源であるブドウ糖をグリコーゲンという形にして蓄えています。
それでも余ったブドウ糖は脂肪に変換されます。
③有害物質の解毒(分解)
アルコールやタバコ等で発生した毒性物質の解毒をしています。
そのままでは排泄されないような医薬品成分の分解も行っています。
④胆汁の生成
脂肪の消化・吸収を助ける胆汁を生成し、分泌します。
⑤血液を固めるの必要な成分の産生
血液凝固因子と呼ばれる血を固めるのに必要な成分を産生します。
肝臓の働きが悪く血液凝固因子がつくられないと、脳出血のリスクも増加します。
このように非常に重要な役割を果たしている肝臓。

ただし、こんな特徴もあります。
肝臓は再生能力が高く、臓器の中で唯一、少し切り取られても元に戻ることができるのです。
またその特性から「沈黙の臓器」とも呼ばれ、悪くなった肝細胞の仕事を他の肝細胞が代わりに行うことで肝臓の機能を維持するため、目に見える症状は病気が進行するまでなかなか現れません。
再生能力が高いから病気にならないのでは?という疑問があると思いますが、肝臓への負担が大きくなり慢性化すると元に戻らなくなり病気になります。
初期症状の多くはだるさや疲れ等わかりづらいですが、肝機能の数値が肝臓への負荷を知る指標となります。
基準値を超えた状態が続くと肝臓が元に戻らなくなるリスクがあると考えてください。
健康診断を定期的うけて、もし指摘されたのであれば、体になにもないから大丈夫だと思わずに必ず専門家の指導を受けましょう。